ガス冷却 Graphite Quencher
ガス冷却 Graphite Quencher
高温ガスを急冷する工程は(クエンチング)として一般的に知られております。
クエンチング工程において高温ガスは比較的大量の冷媒と接触させられることにより、急冷されます。
当社では、腐食性物質が含まれる高温ガスに対しても対応可能なカーボングラファイト製クエンチャーの設計・製作をいたします。
グラファイトクエンチャーの特徴
腐食性高温ガス条件下での数多くの実績
グラファイトは塩素/水素の燃焼反応によって生成する塩酸合成塔の材質として数多くの実績がございます。 よって、高温の塩酸、硫酸に対しても十分な耐食性を有しているため、高級金属(ハステロイやタンタル)使用するよりもコストを大幅に下げられます。
濡れ壁冷却による確実な冷却
高温ガスと冷媒(循環水)をチャンバー内(右上図-6)にて冷却水と効率よく接触させる事により蒸発潜熱によって、ガス温度を瞬時に100℃以下に冷却させることが可能です。
また、内壁(右上図-2)、及びチューブ内部(右上図-4)は常時冷却水がオーバーフローしているため、濡れ壁状態であるため、表面が常に冷却水で保護されております。
スラリーが発生しづらい
グラファイトはサーマルショックに強く、φ88/75のチューブ(右上図-4)を採用しておりますので、スラリーによる閉塞の恐れがありません。 また、併せて、グラファイト管板には10φドレン孔を数所設けておりますので、排ガス中に含まれるダストが堆積しないように工夫されております。
トラブルが少ない
一般的な磁性レンガライニング構造のクエンチャーでは、目地から腐食性ガスの回り込みによる母材の腐食やレンガが脱落する問題、また、スラリーが多量に発生して、底部に堆積する問題が発生しております。
これに比べて、グラファイトクエンチャーは耐食性の高い単一材質ですので、これらの問題は発生いたしません。
冷却効率の高い構造でコンパクト
グラファイトクエンチャーは冷却効率が極めて高いため、機器サイズも一般的なクエンチャー設備よりもコンパクトに設計可能です。
ガス流は上から下にチューブ内をオーバーフローした冷却水と共に通過してきます。
クエンチャー下部はFRPタワーで設計します。
標準クエンチャーユニット
入口ガス温度 ~350℃ | 入口ガス温度 350~1200℃ | |||
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処理風量 | 本体塔径(mm) | 循環水量 | 本体塔径(mm) | 循環水量 |
50Nm3/min | φ800 | 20m3/hr | φ800 | 30m3/hr |
100Nm3/min | φ800 | 30m3/hr | φ1000 | 70m3/hr |
250Nm3/min | φ1400 | 70m3/hr | φ1700 | 150m3/hr |
500Nm3/min | φ2000 | 150m3/hr | φ2000 | 225m3/hr |
当社では、ガス冷却にグラファイトクエンチャーを採用、後段に排ガススクラバーを設置して、腐食性ガスの除去など、トータルな排ガス処理を提案・対応いたします。