ガス精製装置 METACOMPRE®
METACOMPRE®メタコンプレについて
METACOMPRE®メタコンプレのガス(膜)精製方法
「METACOMPRE®メタコンプレ」はメンブレン方式を採用しております。
メンブレン方式とは中空糸膜にガスを通してメタンと二酸化炭素を分離させる方法です。
膜分離技術の原理
ガス分離膜の構造
ガス分離膜の性質
各分子の浸透速度の違いを利用してガス分離をします。
中空糸の束を拡大させた写真
膜の拡大写真
モジュール写真(この中に中空糸膜が入っています)
メリット | デメリット |
---|---|
膜分離を使用する利点として 「水蒸気」を最初に分離する為、除湿の必要がなく、ドライガスを精製することが可能 | 窒素(N2)とメタン(CH4)を分離することが困難 |
METACOMPRE®の強み
●バイオガス精製装置の要素
バイオガス精製を 高効率かつ安定・安全 に運用するためには 4つの要素が必要と考えます。
- 特徴1) 高分離処理性能
・高いメタン回収率(99%可能)
- 特徴2)省エネ性能
・コンプレッサーの コンパクト化
- 特徴3)コントロール
・簡単な起動
・停止操作及び、全自動連続操業が可能
・プラントスケールや原料ガスの組成・流量変換に
追従できる高い柔軟性
- 特徴4)経験と実績
・バイオガスプラントを提供した 経験を基に装置を設計
・化学プラントの実績・経験を基に リスクを最小化
バイオガスの精製方法
バイオガスの精製方法には当社が採用した膜分離法以外にもPSA法(Pressure swing absorption)や高圧水吸収法などがあります。
当社が採用した膜分離法
PSA法
高圧水吸収法
精製方法による比較
方法 | 膜分離法 | PSA法 | 高圧水吸収法 |
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原理 |
原料ガスに含まれる対象ガスを膜浸透速度の差を利用してガスを分離 |
ガスの分子サイズの違いによる脱着速度の差を利用して分離後、圧力差により脱着 |
圧力上昇に伴う気体 が水へ溶解する差を 利用してガスを分離 ※精製ガスには水蒸気による水分を含む。 排水には硫化水素、二酸化炭素及びアンモニアが含まれる。 |
分離材 | 高分子膜 | 吸着材 | 水 |
設計 | 膜本数および組み合わせを柔軟に設計することが可能 | 高い回収率と濃度を求められた場合、吸着槽を複数台設置する必要がある | 柔軟な設計は不可 |
スペース | モジュールのコンパクトさやユーティリティが少ないため省スペースでの設置が可能 | メーカーにより吸着材や吸着槽のサイズが異なるが槽自体も大きく、前後のユーティリティが多く必要 | 水を循環させるためのユーティリティが必須であり、個々の機器のサイズが大きい |
コスト | モジュールコストは安価である | 一部では既製品として存在している装置もあるため、コストは安価である | 大規模プラントのため、処理量が少ない場合、コスト高となる |
回収率 | 段階方式などで高い回収率を得られる | 回収率を高めるためには複数の段階が必要 | 回収率は高い |
操作性 | 圧力制御のみ必要 | 吸着から脱着にかける操作が必要かつ複雑である | 温度と圧力条件が厳格なため制御が難しいケースがある |
ガス性状 | ドライガス | ウェットガス | ウェットガス |
備考 | 日本および世界市場ではまだまだ実績数は多くないが、新しい技術のため、近年急速に採用実績を伸ばしている |
産業ガス精製事業者は従来よりPSA装置を保有しているため、バイオガス精製装置もPSAを採用している場合が多い | 膨大な処理量がある場合に採用されることがあり、実績数は多くはない |
国内/ 実績 | ・実機件数:1(4)※ ・北海道:ガス自動車の燃料 |
・実機件数:1(2)※ ・東京都:導管注入 |
・実機件数:1(0)※ ・兵庫県:ガス自動車の燃料・導管注入 |
※()内は当社独自調査した実証機の実績数となります
METACOMPRE®に採用したメンブレン(膜)
METACOMPRE®は、分離膜の特性を生かし、コンプレッサーサイズを小さくし、
高い省エネ性能を、コンパクト且つ、安定した稼働ができるユニットをご提供します。
本ユニットは、 20%高い分離処理性能(他社比)を持つメンブレン(膜)を採用しております。
本メンブレン(膜)は独自のポリマー材料にて製作されたバイオガスの分離精製に特化した中空糸膜モジュールです。
当社のMETACOMPRE®に使用しているガス分離膜は、2015年2月に業務提携したダイセル・エボニック社のSEPURAN®Greenを採用しております。
SEPURAN®Greenは、エボニック社独自レシピによるポリマー材料にて製作された メタンガスと二酸化炭素の分離精製に特化した中空糸膜モジュールです。
2015年にEVONIK社の高い技術力により、従来品と比較し、20%高い分離処理性能及び、省エネ性能を誇る新シリーズがリリースされました。